面白いものを書きたい。切実に。(11月23日)
ふと、流れてきた記事に、「燃え殻の書くエッセイは面白い。ただ彼の書くものには、オチなどは特にない。彼の日常はなにも起こらない。でもそこがいい」みたいなことが書いてあった。……なるほど、と思いつつ、こっちとしては、オチもそれなりには付けてきたつもりだったが、どっかに忘れてきたのかもしれない、と反省した。どちらかというと、面白いことあったよー! くらいの気持ちで書いていることも多いのだが、彼の日常はなにも起こらない、で切って捨てられていた。……なるほど、と思った。どんな形であれ、褒められるということは嬉しい。稀なことだ。ありがたい。
とあるラジオ番組に、ゲスト出演する予定。そのための事前アンケートがメールで送られてきた。その中に「どんなことを意識して、エッセイを書いていますか?」という質問があった。「オチなどは意識せず、基本的にはなにも起こらない日常を、あるがままに書ければいいかなと思っています」……と答えてしまった。いや、早速、人からの感想をパクってしまった。
群像Webで連載中の、漫画『湯布院奇行』が更新された。第11話。年末には単行本になる予定。
昨日、エッセイを6本書いた。いろいろ事情があって、書けるだけ書かないと、間に合わないことが判明しての強行だった。腰痛が復活するほどの強行だった。それでもついに、滞っていた小説をやらねばならない、と思って書いた。
大槻ケンヂさんと前にお会いしたときに、「小説はやめときな。あれ、体調悪くする。薄毛になるし、身体壊すよ。あと精神がやられる」としみじみ言われた。わかる。本当にそうだ。朝、鏡に映った自分が物凄い老け方をしていた。五十越えてんだがら、年相応な老け方だった可能性も高いが、自分なりにはショックだった。小説のせいだと思いたい。
ショックだった。あと馬面だった。その昔、母親に「馬面過ぎてツラい」と訴えたら、「馬面は大人になればそれなりに治る」と嘘をつかれたことがある。容姿もままならぬまま日々はつづく。