仕事が煮詰まったらサウナへ(9月11日)
仕事が煮詰まっている。グツグツ煮詰まっている。グツグツ。
「そんなときはサウナだよ!」と映像プロデューサーの五箇さんに声をかけてもらい、大塚のサウナ『ニュー大塚』に連れて行ってもらった。俳優の山中崇さんも一緒に来てくれた。
※ちなみに五箇さんのレター『優しいニュース』も日々優しいです。ぜひ!
昨夜は、ほぼ人生初サウナの自分が、ドラマ『サ道』のプロデューサーであり、サウナに関する単行本まで出している五箇さんから直々に、「サウナの楽しみ方」を教えてもらえるというありがたい夜だった。山中さんもサウナ好きで、サウナハット持参だった。

五箇さんから「ニュー大塚は、サウナ界の中ではかなりの珍味ですけどね」と言われた。
本当にサウナのことをよく知らない。熱でフラフラになって、そのあと水風呂でヒヤヒヤになって、死にかけるってイメージしかないんですけど……と五箇さんに訊いてみたら、「そう! それ! それがいいんだよお〜」と満面の笑みで言った。
まず、タオルを二枚持って風呂場に入り、身体を洗う。そのあと、一枚のタオルを水で濡らして頭から被る。頭は熱くなりやすいので、濡れたタオルで守るらしい。
そしてサウナ室へ。余裕で刺青だらけのお兄さんが、漫画本を読みながら入っている。
座れるスペースは二段になっている。下のほうが熱くない。上のほうに熱気がこもるので、しばらく下で身体を慣らしてから、上に移動した。五箇さんは、サウナ室に何分入っているか計測できる、サウナ用の腕時計をしていた。濡らしたタオルを頭から被り、もう一枚は腰に巻いた。
ジリジリと熱い。汗がポタポタ落ちる。
ふと隣を見ると、五箇さんが目をつむり、何事かを考えているように見えた。おもむろに目を開けた五箇さんが、「熱くてなんも考えられなくなるところがいいんだよ」と小声で教えてくれた。
少し離れたところには、山中さんがサウナハットを深く被って、ジッとしている。
五分くらい経った頃から汗が吹き出し、この熱さ、嫌いじゃないな、と思えてきた。五箇さんの言うとおり、最初は熱くてなにも考えられない状態だった。でも、だんだん慣れてくると、あれやこれやが頭に浮かんでくる。でも、それがイヤじゃなかった。
十分くらいでサウナ室を出て、シャワーで汗を流す。そのあと、ドボンと水風呂に入る五箇さん。自分も真似して、ドボンと入ってみる。
これが信じられないくらい冷たい。
「裏で冷却した水だから、キンキンだよね! 手と足には毛細血管が集まっているから、水風呂から手と足を出すと結構耐えられるよ!」と教えてくれたが、心臓が止まりそうなくらい冷たくて、「ふえええ……」と、返事ともなんともつかない変な声を出してしまった。そのあと、手と足を出してみたら、多少ラクに感じられた。
隣を見ると、五箇さんは頭まで水に浸かっていた。サウナマスターすぎる。

休憩室は昭和の香り
「では、そのまま身体を拭いて、一度休憩します」と五箇さんに言われ、休憩室へ。
休憩室の椅子に、全裸で横になっていると、フワ〜ッとしてくる。つまり、これが「整う」ということなのか? と、弛緩しながらぼんやり考えていると、「脳が、熱かったり、寒かったりして、『死にそう』と思っていたところに平穏な時間がきて、『助かった〜』って思う瞬間。それが整ったってやつだよ」と五箇さんが教えてくれた。まんまだった。それにしても、心地良い。
仕事がグツグツ煮詰まっていた男には、アルコールじゃなくて、サウナだったのかもしれない。
五箇さんに、「ライターの◯◯さんも、作家の◯◯さんも、サウナのコワーキングスペースで仕事してるよ。煮詰まったらサウナ入りながら……」と教えてもらった。
いいかもしれない。血の巡りがいい。やっぱり、死にかけること、大切だ。
そのあと、「サウナのあとはここ!」と五箇さん行きつけのインド料理『カッチャル バッチャル』に三人で行った。
山中さんはカレーマニアだ。この店のカレーがいかに美味しいかを語ってくれた。そして、「サウナのあとは、スパイスの身体へのしみ込み方がちがうんです」とニヤニヤしていた。
