明けないで夜(11月29日)
「すみません。ドラマでどうしても遺影が必要になりまして。燃え殻さんの顔が、求めてる遺影にピッタリなんです! 写真使わせてもらってもいいですか?」某テレビ局のディレクターSくんから、そんなメールが届いた。遺影にピッタリの顔面。嬉しくない。だが、Sくんには世話になっている。思わず引き受けてしまった。すると、「ちょっと監督の意見もあるので、もしダメになったらすみません!」と返信が届いた。全然ダメになっても構わない。できればダメになってほしい。まだ、その後の連絡はない。ダメになれ。
そういえば前に、「すみません。いま論破される人を探してまして……」と、とあるテレビ局から連絡が入ったことがあった。あれも大概な話だった。でも一回思わず引き受けてしまった。その辺の話、まとめてどこかに詳しく書こうかと思う。あれもなんだかんだでダメになったが、一回引き受けた自分がこわい。
「ああ、あの話、面白いんで言っときましたよ!」と、こちらの個人的な、人に言いふらしてほしくないことを、面白いからいいじゃん! の一点突破で流布する人間がたまにいる。かなりいる。昨日いた。きっと、「こいつ不幸になれ」が果汁3%くらいは入っての行為なんだろうが、問い詰めたところで、面白いからいいじゃん! 悪意なんてないっすよ! と返ってくるのがわかっているので、押し黙るしかない。今日も淡々と原稿を書くしかない。
『イザベラね』田中小実昌 。人から借りて、しばらく返すのを忘れていたら、「もう新しいの買ったから、あの文庫あげるよ」と言われ、部屋に飾ることにした。代々木上原の古本屋『ロスパペロテス』でも『イザベラね』を見つけて、家にあるのに思わずまた買ってしまった。計二冊。ジャケ買いしたくなる文庫がたまにある。それにしてもいいイラスト、いい装丁。小川洋子さんの『遠慮深いうたた寝』も好きな装丁。部屋に飾ってある。三浦しをんさんの『きみはポラリス』もジャケ買いした一冊(中の短編もどれも最高。特に一話目)。
『明けないで夜』三刷決定。嬉しい。