大切なものをひとつ(12月29日)
熱は下がった。
関節の痛みも治った。汗もかくだけかいた。そしていま、言いたかないが、部屋が臭い。身体中の毒素がこう、なんというか、毛穴という毛穴から出た結果というか……、なんというか、とにかく臭い。先ほど窓を全開にして、空気を入れ替えた。ただ臭い原因は自分なので、シャワーをこれから浴びる予定。臭い。
先ほど、(株)コセイの山内さんからLINEをいただいた。本当は今日、山内さんと会食の予定だった。「部屋の前に食料とか飲み物とか、イソップのハンドソープとか持って行くよ!」と。お気持ちだけ頂きます、と拝むように返信。入社したい。
「大切なものをひとつ、紹介してください」という、とある雑誌の企画に参加。四つん這い状態のため、オンライン取材にしていただいた。
大切なものはマッチ箱。父方の祖母が生前、静岡の沼津北口でひっそりとやっていた一杯飲み屋『ときわ』のマッチ箱(日記に書いてもいいよ、と許可済み)。
「私が男だったら、東京に行って、口八丁手八丁、うまくやったのに……」と、祖母は店に立つ準備をしながら、よく言っていた。
祖母は化粧をするときに必ず一本、白檀の線香に火をつける。いま仕事場で、絶やさず白檀のお香を焚いているのは、きっとその影響だ。
祖母は、ほろ酔いの国鉄の男たちを、口八丁手八丁、毎日うまく転がしていた。
あのときの祖母の度胸と、東京でやってみたかったという祖母の未練をまとって、仕事に臨むべく、『ときわ』のマッチ箱を、ポーチに入れてずっと持ち歩いている。
m