無限ロレックス地獄じゃないか!(10月19日)
深夜、とある人から電話がかかってきた。
内容は「アイツは自分よりうまくやっていて、後輩なのにムカつく」という愚痴。それが延々とつづき、気づいたら寝落ちしていた。
しばらくして、ふと目を覚ますと、スマートフォンの向こうではまだ「アイツは自分よりうまくやっていて、後輩なのにムカつく」という話がつづいていた。ロングすぎる。
もはや執念すら感じる長さだ。
どうやって電話を切ったのかは忘れてしまったが、とにかく終わったあと、這うようにして風呂に入り、そこでまた寝落ちしてしまった。
誰かと自分を比較した時点で、それはもう、無限ループの始まりだ。
世の中、上にも下にも、人は無限にいる。自分より幸せそうな人も、自分より不幸そうな人も、あらゆるバリエーションで無限にいる。
いかに人と比べないか、が肝な気がしている。こんな自分でも、ロレックスが欲しかったときがある。いま思えば、なんで? と自分に問いただしたいが、十五年くらい前は、欲しいと思っていた。知り合いの社長が見せびらかしていて、お金が入ったら、そうするものだと思い込んでいた。その社長が、「ロレックスを二つ所有している人間だけが、買えるロレックスがあるんだ! それがこれ!」と、いま思えば、意味不明なロレックス自慢をしていた。「このシリーズを持っている人間だけが、紹介で買えるロレックスっていうのもあってさ、それを今度が欲しいんだよね」と言っていた。
「無限ロレックス地獄じゃないか!」と、いまだったら確実にツッコむが、そのときは、「え〜、すごいっすねえ」とか応えていた。馬鹿だった。
「誰かと比べて、俺はすごい」みたいな口ぶりは、無限地獄の始まりを意味する。
そういう意味で、SNSは最悪だ。フォロワー数だ、再生回数だなんだかんだと、無理にでも競争心を煽るように設計されている。
一見、冷静にSNSと距離を取っている感じの知り合いのイラストレーターも、「まあ、なんかあったら言ってよ。フォロワー10万人いるからさ」と酔って言っているところを見たことがある。正体見たりだった。
SNSは、人工添加物と同じくらい身体に悪いと思っている。最近はできるだけ控えているつもりだ。
あれはもう、最低限ササッと見て、ササッと返事だけして閉じればいい。あとは映画を観たり、音楽を聴いたり、本を読んだりしているほうがいい。自分の世界に没頭しているほうが、精神的には、一億倍ヘルシーなはずだ。