トークイベントで毎度燃え尽きる(10月27日)
今回のエッセイ集『これはいつかのあなたとわたし』に関しては、トークイベントの依頼をすべて受けた。オファーが来ているうちが華、という理由と、直接、読んでくれている人に感謝を伝えたい(会ってみたい)の両方で全部受けた。ただ、四、五年、ほとんどトークイベントをやっていなかったので、かなりの体力気力を使うことをすっかり忘れていた。トークイベントが終わると、打ち上げに行くこともできないくらい疲れ切ってしまう。漫画家の大橋裕之さんと大阪でトークイベントをやったときは、特に年を感じた。こちらはすぐにホテルに戻ったが、大橋さんはイベントのあと、大阪の友人たちと、朝六時まで飲んだらしい。そしてそのままふたりで、朝九時から夕方五時過ぎまで、書店回りをした。しっかり寝ても、こっちはハアハア疲れていたが、大橋さんはいつも通り飄々としていた。次からはさらに余裕を持ったスケジュールじゃないと、周りに迷惑をかけてしまいそうだ。
青山ブックセンター カツセマサヒコ×燃え殻 トークイベント
そして、昨日もまたトークイベントだった。お相手は作家のカツセマサヒコさん。昔からの知り合いだが、トークイベント等で話すのは初だった。今回カツセさんは初めてのエッセイ本を出版した。エッセイ集『あのときマカロンさえ買わなければ』。会場は青山ブックセンター。カツセさんの人気もあり、チケットはソールドアウト、満員御礼。事前の質問表には、「なぜエッセイを書くのか?」など、しっかりした質問が並んでいた。生活のためです、と本音が出そうになるが、それではあまりに酷すぎる。どうしたものか、と考えながら会場に向かった。気づけば、エッセイ集だけで六冊も単行本を出していた。いまも週刊連載、月刊連載をいくつか抱えている。いつまでたっても出来上がらない小説も何本かある。そして日記も始めてしまった(無謀)。さらに『the Letter』この場所でも、のちのちエッセイの連載を始めようとしている(多分課金になります……、がここだけで読めるような内容のものにしようと思います。日記はずっと無料にしておきたいので、何卒よろしくお願いします)。どー考えてもオーバーワークなのだが、それでも一番キツかったのは、連載が一本のときだった。まったく原稿が進まなかった。いくつも抱えたほうがどーにかなった。習慣化できた、というのもあるかもしれない。身体がアウトプットに慣れてきた、ということもある。照れなくなった、というのもあるかもしれない。とにかく一本、一球入魂がキツかった。なにかを始めるときは慎重に振りかぶって、準備に準備を重ねて、渾身の力で勝負する、ということより、雑多に始めてしまったほうがいい気がしている。勝ちにも負けにも早く慣れることが大切な気がしている。一喜一憂しないでよくなることがテーマだと思う。