出来たてほやほやのわだかまり(12月12日)
ヒカリエのカフェで、来春の新連載についての打ち合わせ。まだタイトルも決まっていない。
そのあとも三件、立てつづけに打ち合わせ。どの打ち合わせも「2026年」という単語が出てくる。もう仕事に関しては、ほぼ2025年は終わってしまっている。
父からメールで、母の検査結果は22日に延びた、と伝えられた。ステロイドは継続とのこと。父に、「わかりました。お父さんも体調気をつけて」と返した。母は深夜にふと起きて、小さな音量でラジオを聴いているらしい。「不安なんだと思う」と父のメールにあった。
渋谷道玄坂。サンタのコスプレをした若い女の子たちが寒そうにしながら、飲み屋の呼び込みをしていた。渋谷の街は、どこもかしこもクリスマスの装飾で彩られている。若いカップルがへばりつくように道玄坂を上がっていくのを見て、微笑ましくて、思わず笑いそうになった。女子高生たちのおしゃべり。イルミネーション。ケバブ屋の店主と、外国人観光客が、なにやら揉めていた。早めの忘年会ぽい、酔ったサラリーマンたちがちらほら。コンビニの前でたむろして、缶チューハイで乾杯している若者たちの集団は、もうここ数年ずっとだ。誰かが爆笑する声。不幸な人など、この世にいないような光景。
小学生の頃からの幼馴染Mからメールがあった。
今年、とある雑誌のインタビューを受けたとき、「小学生の頃にいじめにあって、唯一味方になってくれたのがMだった」という話を、その雑誌の編集長相手に力説してしまった(思わず出来心で……)。すると、編集長が「今日、こうやって燃え殻さんの文章を読めるのも、インタビュー出来たのも、Mさんのおかげだとよくわかりました!」と熱狂と共に言い出してしまう。
インタビュー中、Mの夢が「カメラマン」だったことを編集長は覚えていて、「その夢、ウチの雑誌で叶えさせてください! 燃え殻さんの文章とMさんの写真で連載お願いします!」とさらに熱狂。「え、いや、あの……」とこちらが戸惑う中、「いいじゃないですか!」と話を聞いていたライターまでもが頷きながら後押しし出す始末。
「まー、一度連絡はしてみますが、いくらなんでも断ると思いますよ」と、一応Mに連絡を入れると「俺、頑張る!」と即答してきた。そこでまた「えーっ!」となった。
Mは現在、印刷会社の万年係長。「一眼レフすぐに買うわ」と前のめりも前のめりに言い出す。
わかった、じゃあやろう。こちらも腹を括った。