大橋さんを信用している(8月19日)
朝五時すぎに起きて、原稿作業。
まだ締め切りは先なのだが、どう考えても間に合わない原稿があり、ハラハラして寝ていられなかった。
「こわい!」と思ったら、できるだけ見ないようにするタイプの人もいると思うが、自分は逆にガン見するタイプだ。こわすぎて、そうしてしまう。
書けていない原稿をわざわざ開いて、あとどのくらい書かなければいけないのか、締め切りまであと何日あるのか、真正面から確認する。確認した。うん、ヤバい。確認終了。
見ないようにしながら、頭の片隅でずっとそのことを考えているほうが、自分にとってはストレスだ。だったら、もう見てしまったほうがいい。
そして、二時間ほど原稿に向かった。ほぼ進まなかった(信じられない事実。
とある店(三軒茶屋)で、カツオのたたきを週一で食べている。もちろんカツオも美味しいが、びっしり敷かれた玉ねぎが美味い。シャキシャキ。ほぼ、玉ねぎを食べたくて頼んでいる(言いすぎている。

「ツラいときはメシを食え」というSNSの投稿を見かけた。またテキトーなことを、と思った。本当にツラいとき、人はメシなど喉を通らない。
「本当にツラいときは、BSのショップチャンネルを観ろ」一択だ。
ショップチャンネルはいい。優しい。とにかくこちらに媚びへつらってくれる。
気持ち悪いくらい商品を褒め倒し、視聴者にもヘコヘコしてくれる。隅々までダサい画面作りも、疲れた心に効く。こちらはなにも求められない。ただ観ていればいい。できれば買わないほうがいい。
はっぴを着たおっさんが腹から声を出して商品を褒めちぎり、その横ではっぴを着た女性が同じ言葉を復唱する。心配になる。
あのやりとりをぼんやり観ていると、なぜか少しだけ気持ちが落ち着いてくる。「どんな仕事も大変だよなあ」みたいな、ぼんやりした感想が浮かんできて、それに少し癒される。
週刊新潮の担当編集Tさんが、「この原稿、みなとみらいの花火大会の前に載せましょう!」と言ってくれて、今週号に掲載されることになった。ぜひ。

イラストレーター 大橋裕之
大橋裕之さんが、どんなイラストを描くかは、発売されるまで知らない。事前のチェックはナシにしている。大橋さんを信用しているし、なにより、そのほうが発売日を楽しみに待てるからだ。
今週のイラストを初めて見たとき、涙が出そうになるくらいうれしかった。
文章を読んでいただいた方なら、このイラストを見て、書いたことのその先まで感じてもらえるような気がする。