パリ、ジュンク堂にて(11月4日)
延ばし延ばしにしていた歯医者に行った。
左下の一番奥の歯は、麻酔が効きづらいらしく、とにかく治療が痛い。削る治療はもう終わっていて、あとは詰め物をするだけのはずなのだが、それも痛い。ズキン、ズキンする。いま神経を直接触ってませんか? と訊きたくなるくらい痛かった。
放心状態で終了。セラミックを詰めて、また六万取られた。
最近、指名しているマッサージの先生が、今年いっぱいでシンガポールに移住してしまうらしい。今日、揉みしだかれている最中に、突然その報告を受けた。
うつぶせの姿勢から、思わず身体を起こしてしまった。「そんな……」と本心が口から漏れた。「そう言っていただけたら、本望です」と先生はニコニコしていた。
聞けば、奥さんが事業で成功し、その手伝いをするために移住するらしい。
「正直、ちょっと経理を手伝うくらいなんです。もう、そろそろ楽をしようかなと思って……」人生をひと通りやり終えたような口ぶりだが、先生はまだ三十二歳である。
「先生! それでいいんですか! こっちは五十を越えて、こんなカッチコチの肩で、まだ仕事してるんですよ!」と怒鳴りつけた。怒鳴りつけてない。ただただ揉みしだかれていた。
「いいですねえ〜」と、ひと言だけ言った。
昨夜は足はつらなかった。(コメント、参考にします。
パリ在住の友人から、写真付きのメールが届いた。
「パリのジュンク堂に『ほかの人には言わないで』を買いに行ったら、まだ届いてないみたいだった。でも『これはただの夏』が平積みされてたよ〜」と。
パリにジュンク堂があるんだ……。まず、そこに驚いた。行ったことのない国に、自分が書いた物語が先に届いていた。追伸に、「ていうか日記、毎日読んでるよ!」とあった。