朝日新聞と雑誌『anan』(3月18日)

「お疲れ! アンアン読んだよ! サインちょ!」
燃え殻 2026.03.18
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三月もまたあっという間に中旬になってしまった。こわい。終わる。一年がサッと終わる。

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週刊誌に載っても、正直ほとんどリアクションはない。たまーにあるけれど、それは打ち合わせ相手だったりするので、もうほぼ「お付き合い」に近いなにかでしかない。ただ朝日新聞と雑誌『anan』は載ると連絡が来る。必ず来る。朝日新聞は主に父だが、『anan』のほうは、様々だ。

今週の『anan』にエッセイの第二回が載った。すると、それ関連のLINEが二通来た。一件は五反田のスナックで働いていた女性ルルさん。多分、四、五年前になにかの打ち上げの三次会くらいに行った店の人で、ジャガー横田に似ていた気がする。

「お疲れ! アンアン読んだよ! サインちょ!」

これがジャガーこと、ルルさんのLINE全文だ。サインちょ! なかなか見かけない日本語だ。お洒落な作家の日記やエッセイでは特に見かけない日本語な気がする。

ルルさんの年齢はそのとき三十代と言い張っていたが、五十代後半だと思う。なんかそう思う。「ありがとうございます!」と返信をした。会話になっていないが、あえてそうしているので許してほしい。

もう一件はテレビ美術制作の専務からだった。「うちの会社が『anan』の特集の◯◯手伝ってたから読んでたら、お前出てて驚いた。頑張ってるな!」というものだった。

こちらは本当に嬉しかった。

専務には、二十代前半の頃から世話になっている。自分が、なにもできないにも程がある頃からの付き合いだ。まーそう言ってちゃんとやってたんでしょ? と言ってくれる優しい人に説明すると、まず電話対応ができなかった。「はい、お世話になっております」これが言えなかった。「はい、どうも」と電話に出たときに本当に言って、激怒された。敬語からなにから、学校や親よりも、専務に教えてもらった。

Illustrator、Photoshop、Word、Excelの使い方も専務から習った(じゃーなにができたんだ!)。名刺の渡し方も習ったし、なんなら名刺入れまでもらった。

頭が上がらない。

年に数回、いまでも飲んでいる。一軒目はこちらが出すことも、やっと恒例になってきた。「まさか、お前に奢ってもらうようになるとはな……」と毎回必ず茶化される。茶化しながらも、深々と頭を下げて「ごちそうさまです」と言ってくれる。

最初の小説が売れたとき、「おーい、大丈夫か? 偉そうにしてねーか?」と連絡をくれた。頭が上がらない。いまがんばっている理由の何割かは、専務に「まだやってます」と言いたいからな気がする。

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今日打ち合わせをした担当の編集者が、「体調大丈夫ですか? ダメそうですね。これ飲んでください、めっちゃマズいですが、めっちゃ元気出ますから」と謎の栄養食品をくれた。

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