白檀の線香を一本立て、火をつける(10月9日)
昨日の午後五時、池尻大橋の中華料理『鶏舎』にて、炒飯と餃子を食べた。ランチは行列ができるが、夕方からの営業だと結構空いている。
『鶏舎』の炒飯の旨さは、味というよりも、熱さのような気がする。「熱っ」と思いつつ完食。餃子は酢をドバドバかけながら食べた。次はネギそばを食べたい。
某月刊誌から、また仕事の依頼をいただいた。うれしい。自分が人生でいちばん行き詰まっていたときに、読んでいた雑誌。
半年近く仕事を休み、睡眠薬にも頼っていた頃、深夜のコンビニでたまたま見つけて立ち読みをした。そこに、本当に救われる言葉が書いてあったことを憶えている。
夏休みの終わりや、新学期、新生活のタイミングで、「うまく次に進めない人に向けた言葉をお願いします」と依頼がいままで多かった。あのときの、深夜のコンビニで立ち読みしていた自分に届けたい言葉を書いてきた気がする。
今回は「好きなことを書いてください」とのこと。それもうれしかった。信頼していただけたような気がしてうれしかった。
ただ、パツパツではある。もうひとりの自分が、それはいいが、どうすんだスケジュール! とも言っている。うう。日々はつづく。

仕事場にこもっていて、写真がまったくないことにより、目の前の本棚の写真でご勘弁を。
原稿を書き始めるときの儀式がある。
香水を、首と胸元あたりにシュッシュとかける。自分の好きな匂いがほのかに香ると、集中できる気がする。いま、雑誌『SWITCH』に祖母のことを書いている。書いていると、祖母の仕草をいろいろと思い出す。
祖母は夕方になると、飲み屋の準備を始めた。仏壇から線香立てを持ってきて、白檀の線香を一本立て、火をつける。それから、慣れた手つきで鏡台の前に座り、化粧をする。
祖母が口紅を引いているところを、じっと見るのが好きだった。鏡越しに祖母が微笑む。
「エッチだろ?」なんて言う。子供ながらに楽しい時間だった。白檀の匂いは、祖母の匂いとして記憶している。