どれもこれもうまくいかない日もある(10月10日)

生きていると、キャバクラの営業LINEに救われる日もある。
燃え殻 2026.10.10
誰でも

久しぶりに、地元の幼なじみMと、渋谷の『bar bossa』で会った。

彼は印刷会社の営業だが、いまはクライアントの会社に出向している。そこで、ほかの社員となかなかコミュニケーションが取れず、悩んでいるらしい。

一日のスケジュールを聞くと、これが相当忙しい。いまの自分に、その生活ができるだろうか、と考えてしまった。

朝はだいたい七時に起き、八時くらいの満員電車に乗る。

九時頃からオフィスで働く。

席は決まっていないらしい。いわゆるフリーアドレスで、朝、出社してから自由に席を選ぶスタイルだ。席に座ったら、ノートパソコンを開く。仕事は毎日どっさりある。誰かと協力して進める仕事ではないので、ひたすら一人で、黙々とこなすのだという。

ランチの時間、ほかの社員は誰かと食事に行ったり、お弁当を食べたりするらしい。でもMは、まだ誰とも親しくないこともあり、お菓子(主にグミ)を食べるくらいだと言っていた。

そのまま二十一時くらいまで働き、電車に乗って帰宅する。

フライパンなどに残されたおかずを自分で温め、ひとりで夕飯を食べる。家族は寝ていて、飼っている犬も寝ているので、部屋の電気は最小限にしているらしい。

それが、ほぼ毎日。なかなか厳しい。「なにか息抜きとかは?」と訊いたが、「そういうことは、あまり考えない」と返された。

彼は土日も、副業としてアルバイトをしている。その収入は、お子さんの習い事の月謝に充てている。

白ワインと赤ワインを行ったり来たりしながら飲み、二人ともすっかり酔っ払った。途中、こちらが言ったなにかが気に食わなかったのか、「お前は変わった!」と言われてしまった。こっちはこっちでいろいろあるよ、と言ってしまったけれど、イラッとさせる部分があったのだとしたら、申し訳ない。

Mに、「俺たちの年代は、もうどう終わるかを考え始めるんだよ。そういうもんなんだよ。わかんないだろ?」と訊かれた。「わかるけど」と返した。ほかにも、なにか伝えた気がするが、ちゃんとは覚えていない。そのあと、仕事場に戻って、原稿を少し書いてから寝た。

***

朝起きたら、某週刊誌の編集者から連絡があった。いまはちょっと、と返信した。なかなかうまくいかない。そのあと、二度寝をした。

***

世話になった、映像制作会社のディレクターの方が、会社とトラブって辞めるかもしれない、という話をされたのが、半年前。生活もあるだろうから、なにか一緒にやってみようか、と原作っぽいものを書いて、彼に渡していた。

それが今日LINEで、「やっぱり元の会社に戻ることになったので、一緒にはできない」という連絡が届いた。「そうなんだ。がんばって」とは伝えたが、うーんと一回唸ってしまった。

唸って、一回深呼吸をして、それで終わりにした。どれもこれもうまくいかない日もある。

***

腰と左のお尻あたりがまた、ズンと重く痛い。うーん……。

いまから三軒茶屋へ。がんばります。

いまから三軒茶屋へ。がんばります。

***

たぶん二、三年前に打ち上げかなにかで行った、中野のキャバクラの女の子から、営業LINEが届いた。この二、三年、一度もLINEなどなかったのに、突然届いた。なぜだ!

「お元気ですか?🥰ハロウィンコス🎃一緒にお祝いしたい🥂💕デイジーのコスプレだよ💖」

のんきだ。あまりにのんきで笑ってしまった。生きていると、キャバクラの営業LINEに救われる日もある。

***

久々にティーザーの予告編を観た。いろいろあった。がんばりたい。

無料で「燃え殻 底なしの出会い」をメールでお届けします。コンテンツを見逃さず、読者限定記事も受け取れます。

すでに登録済みの方は こちら

サポートメンバー限定
白檀の線香を一本立て、火をつける(10月9日)
サポートメンバー限定
久しぶりに服を買った(10月8日)
サポートメンバー限定
マリー・アントワネット・スタイル(10月7日)
サポートメンバー限定
「窓の外に向かって、黄昏れて」(10月6日)
サポートメンバー限定
シーフードグラタンと白ワインは合う(10月5日)
サポートメンバー限定
ポマードと暴言と権力の臭い(10月4日)
サポートメンバー限定
ちょっとメランコリックに!(10月3日)
読者限定
『ほかの人には言わないで』(10月2日)