ATMから二十万以上振り込めない(2月21日)
また実家に帰って、父の顔を見に行った。
仏壇の前には、この間載った朝日新聞が置いてある。週刊新潮もお供えのように置かれていた。母の遺影に手を合わせていると、後ろから「朝日新聞の反響がお父さんのもとにはまだ届いているから!」と謎のマウントをされた。ただただ落ち込んでいた父だったので、ここはもう、よかった、よかった、だ。「えー、嬉しい。どんな反響?」と返す。すると、それは聞いてなかったかのように、「俺は朝日新聞を大学時代から朝、必ず読んできた!」と突然の激白。そうなんだ、すごいね、と言って恐れおののく。
現在、銀行では振り込め詐欺防止のため、六十五才以上は、ATMから二十万以上の振り込みができない仕組みらしい。窓口で身分証明書を出せば、振り込めるのだが、父はそれがイヤらしく、百万以上の現金を持って、新横浜の葬儀場に、ひとり持って行くという。どー考えても危ないので、結局一緒に着いて行くことにした。
葬儀場では、今日も通夜、葬式が執り行われていた。喪服姿の人たちが、次から次に出てくる。父は終始無言だった。無事に支払いを終え、父と一緒に駅まで戻った。別れ際、「お母さんが心配するから元気でいなさい」と言われ、「お父さんもだよ」と伝えた。
洋食キムラのハンバーグを久しぶりに食べた。
明日から青森八戸。古本屋『GERONIMO』さんで、大橋裕之原画展のイベントに参加。楽しみ。
午後、カフェで仕事をしていると、前の席でひとり読書をしていた年配の男性がウトウトしだし、文庫を床にポトリと落としてしまう。昼寝か、いいな、くらいに思っていたら、男性は体勢を崩し、ドサッと床に倒れ込んだ。