スライド式 幽体離脱(7月21日)
「暑い」が流行語大賞でいいと思う。暑い。
朝九時、茗荷谷の歯医者で、歯のクリーニングをしてもらった。歯のクリーニングのチクチクする痛さ、嫌いじゃない。歯茎が腫れ気味と言われた。
ランチは、神保町の「スマトラカレー 共栄堂」で、海老カレーにミニサラダ。相席で目の前に座ったサラリーマンの男性は汗びっしょりで、ビーフカレー大盛りを平らげたあと、間を置かずにチキンカレー大盛りを注文していた。元気だ。あだ名は「カレー二杯」だ。

好き嫌いの分かれるカレー、それがスマトラカレー共栄堂。
午後から、J-WAVE『BEFORE DAWN』の収録。
テーマは「花火」。
明るい話にしようとしたのに、書き終わったら、しみじみするものになってしまった。
晴天の六本木ヒルズにしては、ウェットすぎる内容だったかもしれない。

六本木ヒルズ33階から見えた東京タワー。

J-WAVE 謎クッション。
「2026年 ベストエッセイ」に、『この味もまたいつか恋しくなる』の一編「母の涙とミートソース」を選んでいただいた。何度目だろう。嬉しい。
この間、戌井昭人さんにお会いしたとき、「ちょっとさ、怪談話していい?」と言われた。
「夜寝てたら、幽体離脱したの。でも、こう、上に魂がポンと浮く感じじゃなくてさ。頭のてっぺんから、ヌルッと横にスライドする感じの幽体離脱」
スライド式の幽体離脱……、と首をかしげていると、
「あるんだよ、スライド式 幽体離脱。それでそのままスーッと居間まで行っちゃったの。このままだと道路に出ちゃう! と思って、居間のテーブルの脚に口を開けて噛みついたら、なんとか戻れたんだ……」
戌井さんは神妙な顔で話し終えた。