春だ(3月29日)

これといってなにもせず、ほとんど人にも会わず。
燃え殻 2026.03.29
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代々木八幡のカフェに、仕事をしに行こうかと思ったが、あまりに人が多く街に出ているので、途中で引き返した。桜が咲いているこの時期の土日は、もう仕方がない。

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書店で、文庫『ブルーハワイ』が並んでいるのを見た。がんばれ! と謎に念じた。

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春の陽射しが心地よく、ウトウトしてしまい、三十分、床寝。春だ。

祥伝社の『小説NON』で連載している、旅エッセイ『迷子になるはずの旅』。旅を全然していないので、第三回は、また青森八戸、弘前に行ったときのことを書いた。

古本屋『GERONIMO』トークイベントついでの旅、を旅エッセイとして書かなければ、間に合わないほど旅をしていない。どーにかしてもうちょっと時間を作って、旅に出なければ、次こそ行き詰まってしまう。もうほぼ行き詰まってはいる。

それでいうと、「東京以外の飲み屋を三軒紹介してください」という依頼もかなり手こずった。東京以外に三軒も行きつけがないからだ。記憶をたどってたどって、最後には人から聞いて、なんとか三軒しぼり出した。もっと時間を作って、東京以外のお店も開拓しなければいけない。「今度、東京以外のバーもお願いしたいです」と言われている。もちろん一軒も知らない。行き詰まる。

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夕方、コーヒーを飲みたくなって、大通りから外れたカフェに行った。いつもはほとんど客がいない店だが、今日はその店すら混んでいた。ただちょっと様子がおかしい。自分以外、客は全員、犬を連れていた。数えると犬が九匹、人間が自分を入れて五人。犬のほうが多かった。

カフェの前には大きな桜の木が一本。ほぼ満開の花を咲かせている。風はほとんどなかった。コーヒーの匂い。ソファでパグが眠そうにしていた。忙しなくハアハアしている小型犬。飼い主たちのおしゃべり。途中、若いカップルが二組、つづけて家族連れが入ってきて、賑やかさがピークを迎え、店を出ることにした。

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つげ義春の特集した雑誌を引っ張り出してきて、改めてインタビューなどを読んでいた。その中に年譜があった。

2006年『ねじ式』韓国のオルタナマンガ誌『サイコミックス』に掲載。まではいい。

2007年 これといってなにもせず、ほとんど人にも会わず。

2008年 人に会うのますます億劫に。 

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